函数解析の基礎 上 epubダウンロード無料
函数解析の基礎 上
によって コルモゴロフ
4.9 5つ星のうち(1人の読者)
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函数解析の基礎 上の詳細
本のタイトル : 函数解析の基礎 上
作者 : コルモゴロフ
ISBN-10 : 4000051660
発売日 : 2002/9/25
カテゴリ : 本
ファイル名 : 函数解析の基礎-上.pdf
ファイルサイズ : 22.38 (現在のサーバー速度は24.54 Mbpsです
以下は、函数解析の基礎 上に関する最も有用なレビューの一部です。 この本を購入する/読むことを決定する前にこれを検討することができます。
微分積分法と線型空間の知識と経験だけで理解できるように叙述された「関数と関数解析の基礎」という洋書が常に和訳されてきた. (毎回限定復刊なので)今回も早くに絶版となったが世に広まっている.上巻では, 初等実解析と線型空間に慣れているだけで, 集合論・距離空間・位相空間, の準備をしてから, 線型位相空間・「線型作用素」・測度論, の調子で進んでいく.集合と位相は入門書にすら成り得るくらい基礎をコンパクトに集約しているだけではなく, そこも全体も, 1変数関数あるいは実軸R^1またはユークリッド空間R^Nと数列(いわばR^∞)そして簡潔な関数方程式を例にして, 理論の見通しを明示しながら読者に挫折させないよう工夫されている. 集合と位相が関数の理論で活躍している姿を常に拝みながら確かめられる.そんな意味で集合論と位相数学の入門と考えて読むのも有益な本である.本書だけではなく他書あるいは本書を超えた本のためにも用意された事項もある. (関数解析で多用される, 距離空間の完備化・カテゴリー定理;濃度・距離空間における連続曲線, など. )距離空間の完備化は, 完備化の一意性と完備化された空間における距離がwell-definedであることの証明が, 他書によくあるものと様相が違うが, 余白に, 写像の図を描いて平面ベクトルの図も描けば精密に考えることができる. すると, 最も短い美しい証明だと感じた.線型位相空間論と作用素論では, 常に幾何的な意味(平面, 凸, 球体, 分離, …)も(有限次元の場合と比較しながら)明確にしている. よくできていると思う.下巻を見渡すと, 実解析として微分論から始まることが分かる. 上巻に納められている集合論は, 環論との連絡も意識しているだけではなく, 下巻にはバナッハ環まで収録されている. 上巻でも, 集合の代数的な意識は測度論で現れる. 私が現段階で下巻を観た限りでは, バナッハ環が始まる前まで代数とのつながりは意識されていないように感じた. 関数解析の和書には, バナッハ環の理論は補遺としてすら叙述が無い.私は「実解析入門」の関数空間の章に定義と例があること以外に発掘できていない.超関数(※1)の節も独特で, 起源の話から始まり, 典型な超関数「デルタ関数」を取り扱う.そして試験関数の空間D(R^1)の主用な意味の定義があるのだが, 直後にセミノルムによる基本近傍系により定式化されることを明記してある. それは, 溝畑「偏微分方程式論」(※2)と同じなのだが, 本書では, 最初の定義に基づいてD(R^1)上の超関数を取り扱うので, 初学者には無理をさせないだろう. 内容は紹介程度なのだが, むしろ, 超関数の意味でしか収束しない級数, 超関数の意味でしか解を持たない斉次線型波動方程式により表現される数理物理学の現象が存在すること, 超関数の微分方程式, にまで言及している.超関数の意味での導関数と通常の導関数の関係「du/dx=u'+(Σ_a)(u(a+0)−u(a−0))δ(・+a)」は, 本文からは成り立つ理由が分かりにくいと感じていた. 自明という人もいそうだが, いちおう, 猪狩の「実解析入門」に, より簡単な場合の明快な証明と例があり, 私はそれを参考にしたら理解できた.試験関数の空間も, 先々を見越して, 円周の上の試験関数, 緩増加超関数の試験関数としての急減少関数, 更に下巻にはフーリエ変換の原理から観た直接の可微分性を課さない試験関数も考察されている.三つ目は, 急減少関数(シュワルツ関数)から可微分性を外して「帯域制限」した関数である. 下巻を参考にしたら, 更に多くの手法で偏微分方程式などに挑めるのだろう. 上巻と連結している下巻のことは, 他には, フーリエ解析のためにL^1とL^2を基本として, 完備性が短く明快に語られて, 変分法も語られている, ということしか言えない. 下巻のレビューは, いつか書こうと思う.測度論と微分論は必要になる直前まで展開しないのは実にすばらしい工夫である. 測度論が必然的に現れる直前までは, ルベーグ測度による積分(ルベーグ積分)を既知としない例だけで完備性も込めて納得がいくものを挙げている. 普通なら, 関数解析の前に測度論を学べ, せめて同時並行で学べ, というのが通説(だったらしい?)が, 本書単体なら, そんなことは気にしなくていいのだ. しかも話の流れを円滑にするため全体集合 [0, 1]×[0, 1] でのルベーグ測度の構成をR^1, R^2, R^N, など任意のユークリッド空間にも同じ論法が通じるようにしている. [0, 1]×[0, 1]上にルベーグ測度それ自体を構成するのは, 7ページ分で終わる. しかも, 有限加法族の上の測度を構成するときに, 区間(長方形)は(右あるいは左の)半開区間だけではなく, 開区間と閉区間も混在させている. 実に上手く書けている. ちなみに「対称差」により可測性を定めて, さらに後にはジョルダン測度(有限加法的測度ではあるがリーマン式に定まる測定法)との比較まである. ルベーグ非可測にも言及している. 実にすばらしい.ちなみに著者は集合の対称差 (A−B)∪(B−A), or=(A∪B)−(A∩B) を「対称差」と呼ぶことに異議(※3)を唱えている. 理由は, 数学に精通した方々なら, 誰でも同じものを考えたと思う. 私は「的中」された.(※1)-(※2) コメントに詳しいことを書いておいた.(※3) 「xor」による「和」であるから.(2016年4月7日再掲)
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