男組の時代ダウンロード

男組の時代

によって 横山茂彦


4 5つ星のうち(3人の読者)

男組の時代ダウンロード - 内容(「BOOK」データベースより) すべて「男組」がおしえてくれた!君は『男組』を体験したか?よみがえる流全次郎と神竜剛次の世界。物語の鬼才・雁屋哲、天才絵師・池上遼一を開花させた歴史的名作を、徹底的に解読する! 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 横山/茂彦 北九州市出身、明治大学を卒業後、組版会社、『情況』編集部などをへて著述業に。編集者として『酒販通信』副編集長、『アウトロー・ジャパン』編集長、『情況』編集長など。複数の筆名で、エンターテインメント小説など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

男組の時代の詳細

本のタイトル : 男組の時代
作者 : 横山茂彦
ISBN-10 : 4903145662
発売日 : 2019/7/20
カテゴリ : 本
ファイル名 : 男組の時代.pdf
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連載完結40周年なのだそうだ。巷で『男組』がリバイバル・ブームになっているという話は寡聞にして知らず、何故いま忽然として本書が出版されるのか、その必然性も希薄なのだが、どうやら笛吹けど踊らぬ昨今の社会運動状況に対する左翼活動家の鬱屈や70年代へのノスタルジーが背景にあるらしい。実際、著者には三里塚闘争での逮捕歴があるし、原作・雁屋哲、作画・池上遼一の両氏も左翼思想にシンパシーを抱いていた時期の思い出を隠してはいない。別段彼らが特別なのでなく、ベトナム反戦運動、1968年のフランス5月革命、わが国の過激派学生運動といった騒乱の時代を青年期で迎えた彼らは、そういう洗礼を受けるべくして受けた世代なのだ。もっとも時折左翼の地金がのぞくとは云え、本書は基本的に作品世界の懇切な解説を旨とした比較的真っ当な読み物である。各章のタイトルを挙げると以下の通り。・『男組』が描かれた正義なき時代・グループ編成の組織論―五家宝連と四天王を素材に・カンフーとバイクが時代のアイテムだった・影の総理と「M資金」―『男組』現代史講義・番長グループおよび「番長」という権力の将来像・悪意の毒によって、果実の蜜は甘く熟し、わたしたちを魅了する・神竜剛次の「政治論」講義・『男組』の心理学―父親殺しの思想と「愛」・作品とメッセージ・院政(キングメーカー)の政治権力論・朽木組―政治家とヤクザ・少年刑務所の要塞化と三里塚闘争―78年の逆襲・『男組』カルト―疑問あり・最強の男は誰か?・最強軍団は?・「男組」の政治哲学―「権力闘争」という意味・インタビュー雁屋哲(原作者)・池上遼一(作画)・白井勝也(担当編集者)さらに巻末資料として・登場人物紹介・『男組』クロニクル (作中エピソードの年表)・各巻章立て一覧 (コミックス各巻の収録内容を示す)があるので、これから再読しようという方、初めて読んでみようという方には親切な配慮だ。特にインタビューは、諸氏にも是非一読を薦めたい。実のところ、私自身は『男組』のさほど熱心な読者ではなかった。理想家肌で情に流されやすい『男組』の流全次郎より、少し前の1970-72年に『少年マガジン』誌に連載された真樹日佐夫・影丸譲也作『ワル』のニヒルで偽悪的な主人公・氷室洋二に魅力を感じていたのだ。後年、南野陽子主演のTVドラマ『スケバン刑事Ⅱ』を観て、闇の権力を握る鎌倉の老人、その養子で学生組織・青狼会を率い独裁的な社会変革(ウルフ・レボリューション)を目指す信楽恭志郎、深い絆で結ばれた同士たちとともにこの陰謀に立ち向かう主人公・麻宮サキという配置が、まんま『男組』の影の総理・神竜剛次・流全次郎だなと思った記憶はある。なお、著者は本書の結びで「かくして『男組』の政治哲学は、テロリズムに結晶するのである。そのテロリズムは断っておくが、単体で取り出してその是非を説明できるものではない。その非を批判したいのならば、この物語の全編を反証しなければならない。それはおそらく、設定そのものに無理があるという批判にしかならないはずだ。この作品を紡いだ70年代という時代に至らせた、昭和史の激流を否定できないのと、それはかわるところはない。」と述べている。最後の最後でなんと傲慢な物言いをすることか。『男組』のなかで流全次郎が最後に選んだ手段は、紛うかたなき一人一殺のテロルである。その限りで著者の結論に全く異議はない。引っ掛かるのは、安倍一強体制という今日わが国の権力支配構造への対抗策としてもテロルの可能性(期待?)をそこに匂わせていることだ。結局、40周年にかこつけて『男組』を引っ張り出してまで訴えたかったのはそれですか?

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